こんにちは。
『アダルトチルドレン・HSPの方の生きづらさに寄り添う心理カウンセラー』
高井なほです。
自己開示後の後悔で眠れない――アダルトチルドレンが知っておきたい心の揺り返しとの付き合い方

自己開示したあと「言わなきゃよかった」と
後悔して眠れないとき
「この人たちの前でなら、
自分の気持ちを勇気を出して伝えてみたい」
そう思って、思い切って話してみた。
なのに、帰り道で湧き上がる後悔の気持ち…。
「やっぱり言わなきゃよかった」
「重いって思われたかも」
「嫌われたかも」
こんな風に自分を責めてしまって、夜も眠れなくなった経験はありませんか?
特にアダルトチルドレンやHSPの方は、
自己開示した後に大きな「揺り返し」が来やすいと言われています。
自己開示後の後悔に揺れたときの解決ステップ ― 感情を整理し、
自分を守る心の土台をつくろう
自己開示は、心の扉を少しだけ開ける行為です。
そのあとに「揺り返し」が来るのは、実はとても自然な反応です。
でも、そのまま自分責めに飲み込まれてしまうと、
せっかくの一歩が「つらい経験」にすり替わってしまいます。
ここでは、心が大きく揺れたときに試してほしい3つのステップを紹介します。
① 感情を否定せず、言葉にして整理する
まず、「後悔している」「不安だ」といった感情を、
そのまま言葉にしてみましょう。
ノートに書き出すのもおすすめです。
「今、私は『嫌われたかも』と感じている」と客観的に表現すると、
感情に飲み込まれず、少し距離を取って見つめられるようになります。
② 「言えた自分」を評価する
「言わなきゃよかった」と思う気持ちの裏には、「言えた」事実があります。
それは、とても勇気のいる行動です。
「怖かったけど言えたね」「今の私には、それが必要だったんだね」と、
自分を責める代わりに「よくやった」と声をかけてあげてください。
③ 次の自己開示に向けて「自分軸」で考える
後悔の気持ちが落ち着いたら、
「次はどうしたいか」を考えてみましょう。
「次はもう少し相手を選ぼう」「小さな話題から始めよう」といった
“自分なりの工夫”を見つけることが、
心の鎧を少しずつ脱ぎ捨てていく力になります。
アダルトチルドレンが自己開示のあと
後悔しやすい理由と心の仕組み
心理学では、人間関係は、少しずつ自分の内面を明かしていくことで深まる
と言われています。
ただし、自己開示にはリスクが伴います。
自分を開示するということは、「自分はこういう人」という守り
――いわば心の鎧――を、一時的に外すことでもあるからです。
だからこそ、開示した後には無防備な感じがして、
不安や後悔が湧いてくるのです。
特にアダルトチルドレンの方は、
幼少期から「嫌われないように」「怒られないように」と、
常に周りの顔色を伺いながら生きてきた経験があります。
自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先することで、
自分を守ってきたのです。
だから「人にどう思われるか」がとても気になります。
自己開示後に心の鎧を外した状態
――つまり無防備になった自分が、相手にどう映ったのか。
その不安が、後悔の気持ちとなって押し寄せてくるのです。
さらにHSPの傾向がある方の場合、
刺激への敏感さから感情の揺れ幅も大きくなります。
自己開示という「大きな刺激」の後に、心が大きく揺れ戻すのは、
ある意味自然なことなのです。
【相談事例】
本音を話して後悔したAさんが見つけた
「本当の願い」
ある相談者さん(Aさん)は、派遣社員。
いろいろな職場を動いてきました。
新しい職場での歓迎会などで自己紹介をしますが、
そのたびに、後悔して眠れなくなると話してくれました。
Aさんは専門性を求められる仕事をしていて、
「しっかりした人」として見られることが多かったそうです。
でも自己紹介の場面では、「本当の自分も知ってほしい」と思い、
少しプライベートな話もしてみる。
すると帰宅後、「言わなければよかった」という後悔が押し寄せてきて、
自分責めまで始まる始末――そんなパターンを繰り返していました。
私が尋ねたのは、
「それでも自己開示したかったのは、なぜでしょう?」ということ。
するとAさんは、
「『ちゃんとした人』という鎧を脱いで、
もっと本質的な付き合いがしたかったんです」と答えました。
言ったことそのものよりも、
「本当の自分でつながりたい」という願いが
Aさんの中心にあったのです。
その願いを認めてあげることで、
Aさんは少しずつ「後悔しても、それでも私は伝えたかったんだ」と
思えるようになっていきました。
後悔の気持ちも含めて受け止めたとき、
人と安心して話せる自分に近づいていく
自己開示の後に湧いてくる不安や後悔は、
あなたが繊細で、人との関係を大事にしている証です。
アダルトチルドレンの方は、
幼少期から自分を守るために心の鎧を着てきました。
その鎧を外すことは、とても勇気のいることです。
だからこそ、「言えた自分」をまず認めてあげることが大切なのです。
揺り戻しがあることも含めて、
「それでも私は本音を言いたかったんだ」と受け止められたとき、
少しずつ「安心して話せる自分」に近づいていくでしょう。
あなたの勇気はすばらしいのです。
一人で抱え込まず、必要な時には安心して話せる場に身を置いて、
心を整えていきましょう。