こんにちは。
『HSP/HSC・アダルトチルドレンの方の”生きづらさ”に寄り添う心理カウンセラー』
高井なほです。
【HSP】急な誘い、急な変更。HSPさんが動揺する理由

急な予定変更で
こんなお悩みありませんか?
・「今日これからご飯行かない?」と突然誘われると、
うれしい気持ちもあるけれど、なぜか胸がザワザワしてしまう。
・休みの日に、家でゆっくりしようと思っていたのに、
家族から急に別の予定を入れられて、
イライラしたりぐったり疲れたりする。
・「ちょっと予定が変わってさ」と職場で言われるたびに、
頭の中が真っ白になってしまう。
周りの人は「急な変更なんてよくあること」「柔軟にいこうよ」と
軽く受け止めているように見えるのに、自分だけ動揺してしまう…。
そんな自分を「器が小さいのかな」「わがままなのかな」と責めていませんか?
HSPの対処法
予定に”調整できる時間”をつくる
HSPさんにとって大事なのは、
「あらかじめ、自分の中に”調整できる時間”を用意しておくこと」です。
まずできることは、次のような小さな工夫です。
・予定を入れすぎない(1日に大事な予定は1〜2個までにする)
・「動かしてもいい時間」と「絶対に守りたい時間」を、
自分の中で分けておく急な誘いには、
すぐに返事をしなくてもいいと自分に許可を出す
例:「少し考えてから返事してもいい?」
「スケジュール確認してから連絡するね」
・心と体を休める”何も入れない時間”を、
あえてカレンダーに確保しておく週に1日は「完全フリーの日」を作り、
その日だけは予定を入れないと決める
「全部に応えなくていい」「全部をその場で決めなくていい」
そう自分に許してあげることで、突然の変化があったときも、
少しだけ心の準備ができるようになります。
なぜHSPは急な予定変更に弱いのか
HSPの人の多くは、予定を立てるときに、
頭の中で細かくシミュレーションをしています。
「ここに行って、こう動いて、帰ったらこうして…」
「この時間には、きっと疲れているから、家でゆっくりしよう」
こんなふうに、心と体のエネルギー配分まで含めて計画していることが多いのです。
そこに急な変更が入ると、次のような負担が一気にかかります。
・どう動けばいいか、もう一度考え直さなければならない
・「楽しみにしていたことができない」という残念な気持ち
・「うまく対応できるだろうか」という不安予想外の出来事そのものが、強い刺激となる
たとえるなら、丁寧に積み上げたブロックが崩れて、
もう一度最初から積み直すような感覚です。
HSPさんは物事を深く考える特性があるため、
これらの負担が一般の人より大きくなりやすく、
それが疲労感や動揺につながるのです。
なぜ「調整できる時間」を作っておくと楽になるのかそれは、
次の3つの効果があるからです。
・変化を「想定内」にできる
「この時間は変わるかもしれない」と最初から想定しておくことで、
実際に変更があっても「やっぱり変わったか」と受け止められます。
すべてをきっちり決めてしまうと、少しの変更でも「計画が崩れた」と感じてしまいますが、
最初から「ここは流動的でもいい」と決めておけば、
ゼロから組み立て直す必要がなくなります。
・自分で選べる余地が生まれる
余白があることで、「この時間なら調整できる」「今は難しい」と自分で判断できます。
すべてに「YES」と答える必要がなくなり、心の安心感につながります。
・疲れにくくなる
すでに予定でいっぱいの状態では、追加の刺激に対応する余力がありません。
あらかじめ余白を作っておくことで、急な変化にも対応しやすくなります。
HSPさんの具体例
予定変更への対応
あるHSPの方は、その休日に「午前中に家事、午後は一人で読書」と決めていました。
そこに、友達から「急なんだけど、午後から出かけない?」と言われ、頭の中は大混乱。
表面上は「いいよ」と明るく答えたものの、夕方にはぐったりしてしまい、
「なんでOKしちゃったんだろう」と自分を責めてしまいました。
そこで、この方は次の工夫をはじめました。
・休日の予定を「動かしてもよい時間/動かしたくない時間」に分ける
→午前は家事(動かせる)、午後は自分時間(動かしたくない)と明確に
・誘われたときには、「ちょっとスケジュール見てもいい?」と一呼吸おいてから返事をする
→トイレに行く、スマホでカレンダーを確認する、などで5分だけ考える時間を作る
・「今は難しいから、別の日ならうれしい」と、やんわり断る選択肢も持つ
→「来週の土曜日なら空いてるよ」など、代替案を出すことで罪悪感も減る
すると、少しずつですが、
「誘われても、すぐにパニックにならなくなった」
「断っても関係が壊れないと分かって、気持ちが楽になった」
「自分のペースを守りながら、人とも付き合えるようになってきた」と
感じられるようになりました。
まとめ
予定変更に弱いのは、
あなたが弱いからじゃない
急な誘いや予定変更に強く動揺してしまうのは、
あなたが「弱いから」でも「心が狭いから」でもありません。
それは、
先のことまで丁寧にシミュレーションしていること、
心と体のエネルギーを大事に使おうとしていること、
この2つが強く働いているからこそ起こる反応です。
予定に”調整できる時間”をつくることは、「わがまま」でも「手を抜くこと」でもなく、
HSPのあなたが心穏やかに暮らしていくための、大切な工夫です。
もし一人ではうまく調整できない…と感じるときは、
あなたに合ったペースや境界線を一緒に探していくこともできます。
「急な変更が苦手な私」ではなく、「自分のリズムを大事にできる私」へ。
そんなふうに少しずつ、見方を変えていけますように🌿

